生徒向け 現場見学会(第2回)を実施しました
2020.08.01
7月30日(木)に戸田建設さんのご協力のもと第2回目の現場見学会を実施させていただきました。
今回はそちらの様子をご報告させていただければと思います。
その前に現在の工事状況の確認です。
現在の工事写真がこちら↓↓
一番深くなっている部分が全体的に黒くなっているように見えます。
これは全面に鉄筋が組まれておりそれで黒く見えているようです。
工事の工程的には、「耐圧盤」と言われる建物の一番底面となる部分をつくっている最中です。
耐圧盤とは簡単に言うと地面に直接接している建物の一番下にある床です。
床と言っても、私たち建物を利用する人や、机・椅子などの什器を直接支える通常の床とは違って、全ての階のそれらに加え、建物自身の重さも含めた建物全体を一番下で支える、とてもとても大事な床です。
言わば床の親分です。
人間で言ったら足の裏のようなものでしょうか。(なんか親分感が伝わらないですね… 例えがヘタでごめんなさい)
もちろんコンクリートで作るのですが、今はそのコンクリートの中に仕込む鉄筋を組んでくださっています。
それでは見学会の様子をお伝えします。
まずは、全体を見渡すことができる所から、掘削工事でとても大事な「山留め」や「切梁」についての説明をしていただきました。(山留め、切梁については過去レポをご参照ください)
みんなしっかりとヘルメットを被り、用意してくださった資料と現場とを見比べながら、現場所長の齋藤さんの説明に熱心に耳を傾けていました。
説明の後、安全通路を通り鉄筋の状況がよくわかる所に移動しました。
真ん中あたりを左右に横断して太く組まれているのが地中梁です。
まだ鉄筋だけなのでイメージしくにいですが、これがコンクリートで固められ梁となります。
とっても重要な梁で、これが先ほど話に出た耐圧盤とタッグを組み建物全体を支えることになります。
耐圧盤が床の親分なら、地中梁は梁の親分です。
このあと現在の倍くらいの高さまで鉄筋が組まれるそうです。
想像しただけでもごっつい梁ですね。
さすが親分です。
同じ場所からもう少し目線を上げるとこんな感じです。
クレーン車をなるべく工事エリアに近づけるために、仮設のステージが組まれていることが良く分かります。
工事中もなるべく前庭のスペースをつぶさないように、色々な工夫をしてくださっています。
次に1段下がったところに入らせて頂きました。
ここでは捨てコンの上に書かれた線(墨出し)について説明していただきました。
「墨出し」の字のとおり黒い線を引くのに本当に墨汁が使われていること、所々記されている赤・青・黄・緑の線の意味などを教えていただきまいた。
また近くには何やら不思議な形をした鋼材が固定されており、それが何かも説明していただきました。
これは、柱の基礎となるものだそうです。
今後、鉄骨の柱がたっていきますが、この鋼材が柱と接合されアンカーの役目となるようです。
今はポンっと置かれているだけのように見えるので、とてもアンカーの役になるように思えませんが、この後、先ほどの地下部分と同じで、梁の親分がここにもできます。その親分の中にこの鋼材が抱き込まれ梁と一体化することで、ガッチリと固定されます。
このように柱を固定する工法を「ハイベース工法」と呼ぶそうです。
また1つ勉強になりました。
そして見学会の最後に、鉄筋の結束作業を体験させていただきました。
実際の現場という訳にはいきませんが、鉄筋を格子状にしたものをご用意いただき、針金と「ハッカー」と言われる道具を使って、実際に生徒たちが結束作業に挑戦しました。
まずはこの日の特別講師、実際にうちの現場の職人さんである山(やま)さんのデモンストレーションをみんなで見学。
すごいスピードで、実に簡単そうにやっているように見えました。
続いて、生徒たちが実際にチャレンジ。
やはり簡単ではありません。
山さんのスピードがいかに凄いかを知ることができました。
戸田建設さんが誇る若手2人(羽野さん、安藤さん)にも講師に加わっていただき、参加した全員が体験することができました。
丁寧で分かりやすい説明のおかげで、生徒たちもだんだんとコツを覚えていき、楽しそうに作業を行なっていました。
所長曰く「なかなか筋のいい生徒」もいたようです。
見学会の最中に、折に触れて齋藤所長が「建設現場はもちろん機械化が進んではいるが、職人さんをはじめ、人の手で行われている大事な作業がいっぱいある事を覚えておいて欲しい」とおっしゃっていました。この作業体験を通して生徒たちもまさにその1つを実感することができたのではないでしょうか。
山さん、羽野さん、安藤さん、講師を努めていただきありがとうございました。
以上が見学会の様子です。
戸田建設さんをはじめ、工事関係者の方々、貴重な時間を割いていただき本当にありがとうございました!!
また今後も見学会を実施できればと思いますので、どうか引き続き宜しくお願いいたします。